いま病院で行なわれている皮膚病治療の主流は、薬を使ったものです。
薬には内服薬もありますが、外用薬も多く使われています。
よく知られているステロイド剤にも内服用と外用があります。
一方、薬局、ドラッグストアなどで販売されている皮膚病の薬の多くが外用薬、いわゆる塗り薬です。
虫刺されの薬と同じように、皮膚の炎症やかゆみを抑える成分を含んだ薬で、塗れば一時的にかゆみや炎症は治まりますが、皮膚病を根本から治すことにはなりませんから、薬の効果が消えれば、また症状があらわれます。
そこで、また薬を塗るという繰り返しになるのです。
蚊に刺されたときのことを考えるとわかりやすいかもしれません。
蚊に刺されると、刺された場所が腫れて、かゆくなるのは、蚊が刺すときに毒をだすからで、その毒によって炎症が起こります。
蚊に刺されてかゆくなったときに塗るかゆみ止めは、かゆみの原因である毒を消したり、毒を分解したりするものではなく、炎症とかゆみを抑えるものですから、塗ってしばらくはかゆみが治まっていますが、数時間するとまたかゆくなります。
そのため、蚊の毒が体のなかで分解されて、炎症が消えるまで、何度もかゆみ止めを塗る羽目になります。
しかし、まえにもいったように蚊に刺されたときに、すぐに蚊の毒をだしてしまえば、たとえ炎症やかゆみが起こったとしても、それはごく軽くてすみ、放っておいてもすぐに消えてしまいます。
皮膚病の治療も、かゆみや炎症を抑えるために薬を塗り、薬の効き目がなくなったら、また塗るという繰り返しをするのではなく、かゆみや炎症をもたらしている皮膚病の原因である毒をだすのでなければ意味がありません。
抗炎症薬などを塗れば、炎症もかゆみもそのときは消えるために、皮膚病そのものもすこしずつでもよくなっているように感じるかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。
かゆみとなって外にでようとしている毒をかいてでもだしたほうがいいのに、そこに薬を塗ってコーティングしてしまえば、毒を体の外にだすことはできません。
いつまでもその場所にとどまって、かゆみや炎症をもたらし続けます。
いま皮膚病に悩んでいて、かゆみや炎症を抑えるために塗り薬を使っているならば、すぐにやめる必要があります。
皮膚病を治すには、塗るのではなくて、皮膚からでようとしている毒をだす、剥がしてやることこそが重要なのです。
毒をだす方法として、入浴はひじょうに効果的です。入浴は皮膚病によくないと考えているとしたら、それはとんでもない間違いです。
ニキビを治すには、顔をきれいに洗って清潔にしておくことがたいせつですし、化粧は寝るまえにていねいに洗い落とすことが肌をきれいに保つポイントなのですが、それと同じことなのです。
ゆっくりと風呂にはいれば、汗をかいて、汗と一緒に体内の毒も排泄されるため、皮膚病の治療には効果があります。
それに加えて、全身を刺激が強くなりすぎない程度の強さでていねいに、よく擦ることで、皮膚からでようとしている毒を擦りだしてやることもできるのです。
皮膚病を治そうとするなら、あるいは皮膚病を防ぐには、毎日、かならず入浴して、タオルで体をていねいにこすることが欠かせません。
また、まえにも説明したように、かゆかったらかいてしまってかまいません。
ガンを治そうと思ったら、体のなかからガン細胞を完全になくしてしまわなければならないのと一緒で、皮膚病を治すには、原因となっている毒素をださなければなりません。
わざわざ薬を塗ってコーティングして毒をでにくくしてしまうのは、もってのほかということになります。