皮膚病はもっとも一般的な病気の一つです。
生まれてからの何らかの皮膚の異常が起こったことが一度もないという人はいないでしょう。
皮膚病とまでいかなくても、肌が荒れた、吹き出物ができたといった経験は、誰にでもあるはずです。
なぜ、皮膚病や皮膚の異常が多いかというと、皮膚は体の状態がもっともあらわれやすい部分だからです。
肌の状態に敏感な女性なら、寝不足が続いたり、疲れがたまってくると、肌が荒れる、化粧ののりが悪くなるといった肌の変化を実感することでしょう。
男性でも、仕事が忙しくて過労気味のときには、ひげを剃ったときにカミソリ負けしやすくなったり、吹き出物ができたりしがちです。
また、胃の調子が悪くなると肌の状態も悪くなるように、内臓の不調はすぐに皮膚に反映されます。
皮膚の異常は体が発する要注意信号なのです。
肌が荒れてきた、皮膚がかゆいといったときには、黄色の信号が灯ったと考えて、生活習慣や健康状態を見直すべきです。
黄色信号を無視して、そのまま突っ走ってしまったら、信号はすぐに赤に変わって、取り返しのつかないことになりかねません。
中年と呼ばれる年代になると、冬場に肌が乾燥して、かゆみが出るドライスキンの症状を訴える人が多くなります。
ドライスキンの原因として、皮膚に分布する皮脂腺からの皮脂の分泌が加齢によって衰えてくることがあげられていますが、もっと大きな原因は、体のなかに毒がたまったことです。
40代、50代は男女ともに、社会的にも個人的にも重要な節目を迎え、変化も多く、充実しているとともにたいへんな時期でもあります。
肉体的にも精神的にも疲労やストレスがたまりやすい年代です。
また、子供の頃からすこしずつたまってきた体のなかの毒が、許容量いっぱいに近づきつつあるときでもあります。
中高年のドライスキンは、毒が大分たまってきて、このままでは病気になってしまう危険があるよ、という体からのサインなのです。
このサインに気づいて、体のなかの毒を排泄して、減らす努力をした人は、大きな病気をすることなく、健康な生活が送れますが「春になればよくなる」と軽く考えて、毒がたまるにまかせた生活を続けていたら、いつかかならず病気になります。
季節の変わり目や冬になると、体に蕁麻疹が出るという入も少なくありませんが、これもドライスキンと同じで、毒がたまっているという体からの黄色信号です。
何年も、あるシーズンになると蕁麻疹が出るということを繰り返しているなら、すぐにも体内の毒を減らす必要があります。
そのまま放置していたら、近いうちに内臓などの病気を起こすか、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬といった深刻な皮膚病に移行することはまず間違いありません。
私たちは体にたまった毒を排尿や排便、発汗などによって排泄しています。
しかし、毎日掃除していても、すこしずつ塵やホコリがたまっていくように、、毒は体にたまっていきます。
とくに、生まれもって悪因子のある場所には、掃除のしにくい家具の後ろや部屋の隅と同じで、いつしか毒がたくさんたまりがちです。
運動不足や、ストレス過刺、過労などに陥った体は、自浄作用がうまく働かなくなっていて、長いあいだ掃除をしない家のように、体のあらこちにクモの巣が張り、綿ボコリがたまったように、毒がたまっています。
このような状態になったときに、体にあらわれるサインが皮膚の異常なのです。
いわば、大掃除の合図のようなものです。このときに決断して大掃除をすれば、体のなかは毒が減ってきれいになり、また快適に過ごせます。
しかし、大掃除をしなければ、たまったゴミにカビが生えて悪臭を放ち、しまいには柱や床が腐って家が傾いてしまうように、体のあちこちにガタや病気が起こります。
黄色信号の皮膚の異常は、それが皮膚病の段階に進んでいたとしても、まだまだ初期ですから、治療するのは簡単で、すぐに治ります。
そのまま放っておいて、アトピー性皮膚炎や乾癬になってしまったら、治療するには時間も根気もお金もかかります。
体のサインに気づいて、すぐに毒掃除をし、皮膚の異常を治してしまうか、それとも、そのまま見過こしてしまうか、最初にどう対処するかが、その後を大きく左右します。